すっぽんに含まれている栄養成分

すっぽんにはアミノ酸、ビタミン、ミネラル、不飽和脂肪酸、コラーゲンなど栄養素が豊富に含まれています。
ここでは、すっぽんに含まれている栄養素について詳しく説明します。

天然コラーゲン

すっぽんには、天然コラーゲンが豊富に含まれています。

すっぽんの甲羅のふちの部分(エンペラ)にはコラーゲンが豊富に含まれています。
コラーゲンはたんぱく質の一種で、肌に弾力を与える、骨や軟骨を形成する、などの働きがあります。

コラーゲンには「動物性コラーゲン」と「海洋性コラーゲン(マリンコラーゲン)」の2種類があります。
動物性コラーゲンは牛や豚などの哺乳類から抽出され、海洋性コラーゲンは魚の皮やうろこから抽出されます。

すっぽんには「海洋性コラーゲン」が含まれています。
海洋性コラーゲンは以下の特徴があるので、動物性コラーゲンよりも優れています。

  • アミノ酸に分解されやすいので消化吸収が良い
  • においが少ない
  • 脂肪分がほとんどないので中性脂肪やコレステロールが高い人でも安心
  • 血管の弾力を保つ
  • 狂牛病などの感染症の心配がない

アミノ酸

すっぽんにはアミノ酸が20種類も含まれています。
特に、必須アミノ酸は体内では合成できないので食事から摂る必要がありますが、すっぽんには9種類、全て含まれています。

すっぽんに含まれているアミノ酸

必須アミノ酸 バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン、スレオニン、ヒスチジン、リジン
その他のアミノ酸 アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、プロリン、セリン、シスチン、アラニン、ヒドロキシプロリン、グリシン、チロシン

アミノ酸には次の働きがあります。

  • たんぱく質の材料となる
  • 新陳代謝に関わる
  • 疲労を軽減する
  • 免疫力を高める
  • 脂肪を燃焼する
  • ストレスを緩和する

すっぽんは、特にアルギニンを豊富に含んでいます。
アルギニンには、以下のような健康に役立つ働きが多くあります。

  • 疲労物質のアンモニアを分解する
  • 新陳代謝を良くする働きがある成長ホルモンの分泌を促進する
  • 免疫細胞のマクロファージの働きを良くする
  • 血行を良くする
  • 男性機能を改善する

ビタミン

すっぽんにはビタミンが豊富に含まれています。

すっぽんに含まれているビタミン

ビタミンB1、2、6、12、ナイアシン(B3)、パントテン酸(B5)
ビタミンA、D、E、K、葉酸

すっぽんは、特にビタミンB群を豊富に含んでいます。
ビタミンB群には以下の働きがあります。

  • 疲労を回復する
  • 生活習慣病を予防、改善する
  • ストレスを緩和する
  • 体の成長や維持に役立つ

ビタミンB群はお互いに助け合って働くので、1種類だけを摂取するよりもなるべく一緒に摂った方が効果が高くなります。
すっぽんには8種類のビタミンB群のうち、6種類が含まれています。

ミネラル

すっぽんにはミネラルも多く含まれています。

すっぽんに含まれているミネラル

カルシウム、鉄、亜鉛、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、銅、マンガン

ミネラルには、身体の機能の調整や骨や歯、血液をつくる、などの働きがあります。
必要な量は少量ですが、健康維持には欠かせない成分です。
体内で合成ができないため食事で摂取する必要がありますが、海藻や野菜に多く含まれているので不足しがちです。

ミネラルが不足すると、肌のトラブル、アレルギーの悪化、抜け毛、貧血、むくみ、イライラなどさまざまな症状を引き起こします。

不飽和脂肪酸

すっぽんは、血液をサラサラにする働きがある不飽和脂肪酸を豊富に含んでいます。

すっぽんに含まれている不飽和脂肪酸

成分名 効果
DHA(ドコサヘキサエン酸)
EPA(エイコサペンタエン酸)
中性脂肪値やコレステロール値を下げる
リノール酸 悪玉コレステロールを減らして善玉コレステロールを増やす
オレイン酸 悪玉コレステロールだけを減らして善玉コレステロールを増やす
リノレン酸 体内でDHAやEPAに変換される

DHAやEPAは体内で合成できないため、食事で摂取する必要がある必須脂肪酸です。
青魚に多く含まれているので、日本人の食生活が肉中心になるにつれて不足しがちになった成分です。

すっぽんにはこれらの不飽和脂肪酸が豊富に含まれているので、生活習慣病(高血圧、脂質異常症、動脈硬化、糖尿病など)や脳梗塞、脳血栓の予防や改善に効果があります。